top of page

Forests森林研究 (前編)


Forests森林が来日する。

台北のシーンにおいても明らかに独自の動きをしている彼ら。

アジアのアンダーグラウンドが結びつきを見せる中、台北を代表して世界から注目を集める存在といっても過言ではない。

そんなForests森林は1年ぶりの来日公演となる。今回はしかも新作を携えて。(フィジカルはLPレコードでライブ会場にて販売予定、デジタルでもリリース済み)

新作「Idol Collapse」より表題曲

その新作に関しては後編で紹介するとして、バンドの変遷からおさらいすると、

メンバーはJon(シーケンサー、エフェクト);國國(ベース);尊龍(ドラム、エフェクト)の3人で、國國は日本でも話題になりつつあるバンド「落日飛車SunsetRollercoaster」のリーダー兼ギターボーカル、尊龍は落日飛車でもドラムを叩き、「Angel Baby」というバンドではギターボーカルを担当している。台北インディのなかでも特に才能に溢れ、個性の強い3人が集うForestsという集団。

その音楽性は前身のバンド「Boyz&Girl」時にシューゲイズバンドと呼ばれていた頃から、ガレージパンクバンド「森林合唱團」として活動をし、現在の先鋭的なインダストリアルロックの形態になるという目まぐるしい変化はどのようにして起こったのか?

普段は台北のメディアにさえもあまり多くを語らない彼らだが、まずはバンドが大きな音楽性の変化を遂げた後の前作品《Dead Species》リリース時の中国のメディアのインタビューを抜粋にてご紹介させていただきたい。

 

<豆瓣FMによる2017年のインタビューより抜粋>

・・・・・

Forests森林メンバー:Jon(シーケンサー、エフェクト);國國(ベース);尊龍(ドラム、エフェクト)

■あなたたちは一緒にバンドをやってどのくらいたちますか?Boyz&Girl(注1) から森林合唱團(注2)そしてForests 森林に至るまで、あなた方3人の音楽的な進化はずっとお互い同士で影響しあってここまで進んできたように思います。これはどうやって成し遂げたのですか?

(注1)Boyz&Girl : skipskipbenbenのbenbenと現Forestsの4人組シューゲイズパンクバンド。活動期間は2008年-2010年

(注2)森林合唱團 : Forestsの昔の表記。この表記当時はガレージロック風な音楽性で、圧倒的なライブを魅せるバンドとして台北インディ界隈で話題になりつつあった。

Boyz & Girl - banana town

尊龍:8年だね。俺たちが進んで成し遂げたんじゃなくて、お互いの影響というのは自然と避けられないものだったんだと思う。

Jon:俺が思うに、ここまでの流れは俺たちが意図的に作り出したものではなくて、俺たちの音楽には多かれ少なかれお互いに影響された部分はあって、当時俺たちが毎日顔を突き合わせてた頃は自然とそれが溶け込んでいたんだと思う。もしかしたら広い意味である種の信頼と呼べる物なのかもしれない。

■つまりほとんど毎日一緒にいるってことですよね?さっきJonにインタビューしていいか(チャットか何かで)聞いたら、ちょうど尊龍は隣にいるからいいよって言ってましたが、國國は今日は落日飛車の録音で忙しいんでしょうか?

國國:最近は集まることは多くない、尊龍とJonはForestsの新作を準備しているところだ。俺は今レコーディングルームにいるんだけど、ネットのおかげで、ほらまた集まれた。

尊龍:まぁまた集まれたってことで、実際今はそんなに親密じゃない、蜜月はもう過去のものさ。

Jon:今の感じはだんだん倦怠期に突入しつつある婚姻関係かな

國國:ただ子供はまだ一人前になってない、まだ親の愛情が必要だ。

森林合唱樂團 Forests - Cracked Ice 森林合唱團時代の映像。2012年

■以前の森林合唱團の時はLo-FiとDIYの雰囲気があったけれど歌はまだ太陽の明るさを保った陽の感じだったと思いますが、新作《Dead Species》から完全に陰の要素の強いポストパンクに変化していました。バンドのこのような変化はどのようにして起こりましたか?

Forests - "Dead Species" この頃Jonは映像にも凝り、だんだんビジュアルイメージを追求していった

國國:(太陽という表現を受けて)そりゃ前線のせいだろう。寒気が南下して、まず雨を降らせた。気温が低くなり、湿度は上昇して、太陽はだんだんと見えなくなった、全ては地球の自転と、自転軸の傾斜角度に由来することだ。

尊龍:その後ジメジメして、カビが育ち始める。そうなったらもう前の様にはできない、常にカビを纏い、除湿機を探し続けるんだ。

Jon:その通りさ。ただ季節は4つもあって、やっぱり一つの場所に長くは留まれないみたいだ。

■この表現はわかります。そしてやはり音楽性が変化した時のことを聞かせていただきたいのですが、Jonはギターのプレイもとても素晴らしいのですが、聞くところによるとシーケンサーを触り出してからギターを全部売ってしまったとか?

Jon:そのストーリーとしては、俺はある時ギターを持った時、突然どうやって弾いたらいいかわからなくなったんだ。なのでギターは全部売り払ってしまって、自分が後戻りできないようにもした。あとでだんだんわかってきたのは、自分はギターを排除したかったんじゃなくて、ある種創作の手法に対するビジョンが変わったというだけなんだ。ギターは道具でしかないし、シーケンサーも、俺の腹だってそうさ。

Monolith at 肥頭 / fat tone studio 音楽性が変化してる渦中の貴重なライブ映像。《Dead Species》の曲だがまだギターとシンセを併用しているJon

尊龍:俺はやはり変わらず、自分でもわからないドラムを叩いている。

國國:俺はファンキーな低音があるだけで、スラップ(ベースの奏法)は禁止、エフェクターも使ってはいけない、でもピックは使って、ギャギャッとした音を多めにする、音階ではマイナーやディミニッシュを好み、ある種の閉じた感情と歪んだ不協和音感を作り出す。

Jon:ははは、俺はやっぱりダメだね。真っ当な人類になれるようにチャレンジがまだまだ必要だ。

・・・・・

なるほど上記の話を聞く限り、時間と共にメンバー同士の関係や聴く音楽の幅、そして美意識も当たり前のように大きく変化をしていくなかで、バンドの音も自然と変化させていった。

メンバー自身も自分とこのバンドとの関わり、変化をどこか俯瞰して見ているようだ。

そしてこのインタビューの後、メンバーはそれぞれのバンドで今まで以上に忙しく活動を続けながら、Forests森林はJonを中心に新作の準備を進める事となる。

(後編へ続く)

 

<来日情報>

BIG ROMANTIC LIVE 「FORESTS(森林) × Yasei Collective」

時間:Open 18:30 / Start 19:30

料金:adv.¥3,300 / door.¥3,800 +1d

※整理番号順入場

会場 : 青山月見ル君想フ

 

FORESTS 森林 (台湾)

音楽的実験を繰り返し、ガレージ、ポストパンク、NO WAVEなどを吸収し、次々に変化していくその音楽性はクラウトロック的でもあり、現在の台湾で最も実験的で先鋭的なバンドである。OGRE YOU ASSHOLEとの共演やBoiler Roomへの出演を果たし、国際的な注目を浴びる中、台北にて自主レーベル「Lonely God Records」を主宰し、台北アンダーグラウンドを牽引し続けている。

不斷的重複著各種音樂實驗,吸收著Garage、Postpunk、NO WAVE等類型之外,在各階段持續變化的音樂性讓他們有著德國搖滾的風格之外,他們也是現在在台灣走在最前端的先銳樂團。與日本樂團OGRE YOU ASSHOLE共演以及登上Boiler Room頻道,都讓他們相當受到國外各界的注目。在台北他們也主宰了自有廠牌「Lonely God Records」,持續牽引著台北Underground場景。

メンバー:JON(vo) KUO(bass) ZL(dr)

特集記事 
最新記事 
タグ検索 
ソーシャル
  • Facebook Classic
  • Twitter Classic
  • Instagram Social Icon
  • YouTube Social  Icon
bottom of page