北京サイケデリックの声/風吹萬竅,來自北京的迷幻之聲:吹万chuiwan interview



中国サイケロックアルバムの金字塔となる4枚目のアルバムを日本台湾リリースすることになった吹万chuiwan。世界的に注目が高まりつつある中国インディで長きに渡り活動している。


メンバーは、闫玉龙ヤン・ユィロン(ボーカル/ギター/バイオリン/キーボード),吴琼ウーチョン(ヴォーカル/ベース),吴冬ウードン(ギター/サンプラー),文正ウェンゼン(ドラム)の4人。


吹万chuiwanの由来は、古代中国の思想家「荘子」の書物【斉物論】にある一節

<風吹萬竅,發出各種聲響(あらゆる穴へ風が吹き,それぞれが音を発し出す)>

から取られたという。

まさに吹万chuiwanの音楽が描き出すサイケデリックな風景そのものだ。


その活動は2008年ごろから始まり、中国の名門インディレーベルであるMAYBE MARSに所属し、同レーベルのP.K14やcarsickcarsなどのバンドと共に中国のインディシーンを牽引してきた。

そんな吹万chuiwanから現在の中国の音楽シーンはどう見えているのか、リーダーの闫玉龙ヤン・ユィロンに話を聞いてみよう。



「風吹萬竅,發出各種聲響。」


來自北京的新迷幻/實驗搖滾樂團「吹萬Chui Wan」由閆玉龍(主唱/吉他/小提琴/鍵盤),吳瓊(主唱/貝斯),吳冬(吉他/採樣),文正(鼓)組成。團名取自莊子的《齊物論》,也正體現了吹萬所描繪的音樂風景。


與 P.K14、carsickcars 等所屬同一中國名門獨立廠牌「兵馬司」,自 2008 年開始樂團活動後更牽引著整個中國獨立音樂場景。去年迎來樂團第四張新作大碟,也是被譽為中國迷幻音樂史上的高峰——「眼eye」,趁著本次日盤專輯即將於台日發售之際,邀請主唱閆玉龍和我們談談,逐漸受到世界關注下的中國音樂場景和變化。



左からベース:ウーチョン / ドラム:ウェンゼン / ギター:ヤン・ユィロン




・今回リリースした4枚目のアルバム「眼eye」はどんなアルバムになりましたか? ・此次發行的第四張作品「眼」是一張怎樣的專輯呢? 「眼eye」は勇気に満ちた、大胆であり自我とせめぎ合ったアルバムです。曲としては、以前の作品と比べて歌唱が多く、あと制作時のアイデアとして、できるだけロック的な音の処理方法を選ばない様にしました。

「眼」是一張很有勇氣,比較大膽和反叛自我的專輯。在歌曲上,和之前的作品相比,有更多的人聲;在製作的想法上,則盡量不採用搖滾樂的聲音處理式。


吹万Chui Wan【寂靜買下了整座湖/静寂は湖全てを買い取った】



・このアルバムはポルトガルのリスボンでレコーディングをしたようですが、なぜその場所を選びましたか? ・這張專輯是在葡萄牙里斯本的錄音室完成的,為什麼會選擇在那裡錄音? 以前リスボンでライブをしたことがあって、この街がとても気に入りました。音楽も素晴らしく、私たちの好きなバンドやミュージシャンがたくさんいます。街の雰囲気もリラックスしているし、天気もとても良いです。あと物価も高く無い。

之前我們在里斯本演出時,就很喜歡這座城市。音樂很棒,有很多我們喜歡的樂隊和音樂人。氛圍也更放鬆,天氣非常好。物價也不高。



リスボンでのレコーディング風景

吹万於里斯本錄音的景象



・レコーディングの時のエピソードを教えてください

・錄製過程中有發生什麼小插曲嗎? レコーディングは全体を通してとても大変なものでした。バンドとプロデューサーとでミックスを完成させました。みんなワーカホリックのモードになっていました。 マネージャーのlollyがみんなをケアしながら、遠く離れたレコード会社との多くのやりとりをしてくれました。

プロデューサーのRusty Santosは常に電子タバコを失くしていましたね。


其實整體的錄製工作非常辛苦,樂隊和製作人一起完成的混音。大家都是在工作狂模式中。 經紀人樊晏在照顧大家的同時,也要遠程處理很多唱片公司的事情。 製作人Rusty Santos一直在弄丟電子煙。


リスボンでのレコーディング風景(動画)

吹万於里斯本錄音時的影像紀錄



・アルバムの中でメンバーが一番好きな曲はどの曲ですか? ・團員們最喜歡專輯裡的哪些曲目? ハハ、全部好きですよ!

哈哈,都很喜歡!



・吹万はレーベル「Maybe Mars」で4枚のアルバムをリリースしてきたわけなんですが、バンドと中国でのリリース環境はどのような変化がありましたか?

・至今一共由「兵馬司」發行了四張專輯,在樂團本身以及整體的發行環境上有什麼樣的變化嗎? まずやはり国際的に、中国のバンドへのリアクションが変化し続けていると感じています。吹万の1枚目のアルバムリリースは2012年で、当時は中国国内にはいわゆるサイケバンドと言うものは全く無かったと思いますし、ましてや(ポストパンクの影響の色濃い)ネオサイケバンドなんて尚更です。その当時NYの「Psychic Ills」と言うバンドと中国国内ツアーを行った時、ツアーのタイトルはズバリ“迷幻中国(サイケデリックチャイナ)”でした。その後は海外での活動が段々と増えていきました。 忘れられないのは、2015年に「chuiwan」と言うアルバムのツアーでアメリカに行った時、本当に疲れ果てましたが、バンドの進化がとても大きく、この時は海外で初めてしっかりアルバムのプロモーションにも取り組んでいたのですが、各方面で現地のプロ意識が高いと感じました。バンドっていうのはツアーをし続けることによって成長するものだと思いますね。


主要還是感覺到在國際上對中國樂團的態度不斷在變化。嗯,第一張專輯發行是在2012年。國內那會兒可能還沒什麼正經的迷幻樂隊,更不要說新迷幻了。那時和Psychic Ills一塊兒在國內巡演,巡演名字就叫做「迷幻中國」。之後在國外活動的越來越多。最難忘的是2015年同名專輯的美國巡演,真的特別累,但對於樂團的進步非常大。這是第一次認真的在國外做專輯的宣傳,感覺各方面都很專業。感覺樂隊就是通過不斷的巡演成長起來的。

NYのサイケロックバンド「Psychic Ills」とツアー先のマカオで 2012年

2012年與來自紐約的迷幻樂團「Psychic Ills」於巡演地「澳門」合影


ここ数年の話だと、中国国内でリリースできる環境がどんどん良くなっていて、小さなインディーレーベルもどんどん多くなっています。オンラインがますます重要だと思いますね。このコロナ禍の後中国国内の音楽シーンがどの様に発展していくのか、音楽業界的に大きな変化が訪れるのかは、まだわかりません。


這幾年的話,國內的發行系統也發展的越來越好,小的獨立唱片公司也越來越多。感覺網絡越來越重要。不知道疫情之後,國內的音樂場景會如何發展,整個的音樂行業會不會有更大的改變。


2012年頃の吹万chuiwan

2012年時期的吹万



・国際的に、中国のバンドへのリアクションが変化したと伺いましたが、具体的な変化を教えてください。

・方才提到「主要感覺到在國際上對中國樂團的態度不斷在變化」,有什麼具體的例子可以分享嗎?


中国のバンドとミュージシャンはどんどん注目を浴びるようになったと思います。以前は、外国では中国にはロックバンドなんていないとか、いても崔健(※注)だけだと思われていたんだろうと思います。

でもこの10年、特にこの5年で中国のバンドがどんどん海外にツアーに行くようになって、かついくつかの素晴らしいフェスに出演できたり、すごく良いバンドと一緒にツアーを回ったりしています。海外メディアからの注目も受けるようになりました、例えばNPR,Village Voice,The Wire,Pitchforkなどです。


覺得中國的樂隊和音樂人正得到越來越多的關注。 之前,大家可能覺得中國沒什麼搖滾樂團,或者覺得就是崔健。 不過近十年,尤其是近五年,越來越多的中國樂隊也開始在國外演出,並且可以演一些很棒的音樂節,或者和很棒的樂團一起巡演。也越來越能得到媒體的關注,比如NPR,Village Voice,The Wire,Pitchfork。


(※注)崔健 中国ロックの父と呼ばれる、中国の大衆音楽にロックのスタイルを取り入れた最初の中国人アーティストである。代表曲『一無所有』(何もない)は、1980年代後半の中国を風靡した。


被稱之為中國搖滾之父的「崔健」,是最初將中國大眾流行音樂與搖滾樂元素結合的音樂人。代表曲一無所有』曾風靡於1980年代後半的中國。



多くのミュージシャンやバンドの音楽自体もどんどん成熟して、良くなって、視野も広くなっています。レーベルからのサポートもどんどん手厚くなって、同時に自分たちも強力なDIYの力を持つようになりました。みんな良い音楽を作ると同時に、どうやってバンドを運営していくかを学んで行ったのです。海外との遅れはどんどん縮まり、バンドのスタイルも様々に増えていきました。海外のミュージシャンとのコラボも増えたし、交流も増えました。特に実験音楽の界隈においては、さらに頻繁に、同時代性があります。

もちろん、一番重要なのは音楽を愛する友人たちみんなのサポートあってこそで、イベントの主催をしたり、レーベルを作ったり、ベニューを作ったり、、音楽が好きな人はいつも多ければ多いほど良いですね!


很多音樂人/樂團本身的音樂越來越成熟、優秀,視野越來越寬廣。即能得到來自廠牌越來越多的支持,同時自己也有很強的DIY能力。大家在做好音樂的同時,也越來越知道該如何經營一個樂團。 時間差越來越小。風格也越來越多元化。和國外音樂人之間的合作增多,交流變多。甚至在實驗音樂方面,要更頻繁,也更當代。 當然,我覺得最重要的還是因為有那些熱愛音樂的朋友們的支持。他們有的是主辦方,有的人做廠牌,有的人開俱樂部…喜歡音樂的人總是越多越好!


2015年 吹万はオースティンで行われたPsych Festに出演した

2015年 吹万受邀於德州奧斯汀音樂祭「Psych Fest」演出



・吹万から見て、今の中国の音楽シーンをどう思いますか? ・以吹的視角來看,當今的中國音樂場景是如何呢? 音楽シーンは元々北京と上海に集中していましたが、今はその他の都市もどんどんシーンが発展して行っています。地域性の違いはありますが、地域ごとの交流もどんどん増えてきています。